痛みが軽減すると、つい普段どおりに肩を使いたくなります。
しかし、急な動作や負担のかかる動きをすると、
炎症が再発する可能性があります。
まずは日常生活で以下の点に注意しましょう。
急に腕を高く上げる動作(例:棚の上の物を取る)
重い物を持ち上げる動作(例:買い物袋を片手で持つ)
長時間の同じ姿勢(例:デスクワーク、車の運転)
反復的な肩の使用(例:掃除機の使用、窓拭き)
肩に過度な負担をかけず、徐々に可動域を広げることが大切です。
リハビリとストレッチを取り入れる
炎症が落ち着いても、肩の可動域が制限されたままでは再発のリスクが高まります。
適切なストレッチや運動を取り入れて、肩の柔軟性を回復させましょう。
- 振り子運動(肩のリラックス)
- 体を前傾させ、腕を垂らして小さく円を描くように動かす(左右10回)
- 壁押しストレッチ(肩の可動域向上)
- 壁に手をつき、ゆっくり体重をかけながら肩を伸ばす(15秒×3回)
- 肩甲骨回し(血流促進)
- 肩を大きく回す(前後10回ずつ)
痛みを感じたら無理をしない
深呼吸しながらゆっくり行う
お風呂上がりに実施すると効果的
肩を冷やしすぎない
血流を良くすることで、回復が早まり、再発防止にもつながります。
炎症が強い時期には冷やすことが有効ですが、痛みが引いた後は温めることが重要です。
入浴で温める(ぬるめのお湯で10~15分)
蒸しタオルを肩に当てる(40℃程度)
ホットパックを活用する
注意点
- 冷房や扇風機の風が直接肩に当たらないようにする
- 痛みがぶり返した場合は、一時的に冷却療法を検討
石灰化とカルシウム摂取の関係と注意点
石灰沈着性腱板炎は、カルシウムが異常に沈着することで発生します。
しかし、これを防ぐためにカルシウムの摂取を極端に制限する必要はありません。
むしろ、適切なバランスでカルシウムを摂取し、体内での正しい代謝を促すことが重要です。
必要な量を適切に摂取する(不足も過剰も避ける)
カルシウムの吸収を助けるビタミンDを一緒に摂る
マグネシウムとのバランスを考える(1:2の比率が理想)
加工食品に多く含まれる リン(リン酸塩) は、カルシウムの吸収を妨げる要因のひとつです。
リンを多く含む食品を控える
- インスタント食品、スナック菓子、ソーセージ、ハム、ベーコン、清涼飲料水
リンの摂取を抑えつつ、カルシウムのバランスをとる
- 自然な食材を選び、できるだけ加工されていない食品を摂取する
- 野菜、果物、魚、ナッツなどの天然食品を中心にした食生活を心がける
- カルシウムとリンのバランスを考え、加工食品を避けることで、石灰化のリスクを低減する
正しい姿勢を維持する
姿勢の悪さは肩への負担を増やし、炎症の再発リスクを高めます。
デスクワーク時
- 肘をデスクやアームレストで支え、肩がすくまないようにする。
- 背筋を伸ばし、猫背にならないようにする。
- パソコンのモニターは目線の高さに設定する。
座る姿勢
- 椅子に深く座り、骨盤を立てる。
- 頭が前に出ないように意識する。
寝るときの姿勢
- 横向きの場合、肩の圧を減らすためにクッションを抱える。
生活習慣を見直す
肩関節の石灰沈着性腱板炎を再発させないためには、
日常の習慣を見直し、負担を軽減する工夫が必要です。
荷物の持ち方に気をつける
日常的な運動を取り入れる
長時間のスマホやパソコン作業を控える
睡眠環境を見直す
ストレスを軽減する
生活習慣を見直し、肩にかかる負担を減らすことで、
石灰沈着性腱板炎の再発を防ぎ、快適な日常を送ることができます。
まとめ
急激な肩の使用を避ける
適度なストレッチと運動を行う
肩を冷やしすぎず温める
石灰化とカルシウム摂取の関係を理解する
正しい姿勢を意識する
生活習慣を見直す
痛みが引いた後も、適切なケアを続けることで肩の健康を守ることができます。
日々のケアを意識し、再発を防ぎましょう。